土の家
土の家にいる
明かりはない
土には溶け込んでいる
数々の死体が
それらが分解した排泄物が
ケガれた多くの物が
見えないだけで存在し続けている
土の家の中 つい連想した
女性の腹 子宮
ここに僕はいる
静けさの羊水に包まれて
誰もいない孤独の羊水に包まれて
死体たちが ケガれた物が
消化され 分解され
体となる
子供たちの体になる
物質たちが転生し
死体が生体になる
そして立ち上がる
もうここから出るべきだから
生まれ出でるべきだから
脱出するべきだ
子供たちも 僕も
外界へ
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