忘却
頭の中は白い
酸素不足が続き脳は 考えるのを止めた
思い出すことも止めて
足は走り続ける
体は別な地点へと向かう
どこか遠くへ
頭以外の全ての体は 意識もなしに動き続ける
脳は悩むのをやめた
最小限の脳が
働く
呼吸と眼動と体内維持のためだけに
超えられない物を超えて
閉じない目が全てを見る
そんな気がしただけだ
頭は正常に働きだす 悩みを脳は思い出した
獣から人への脳に移り変わる
人としての悩みを取り戻し
肺は酸素を吸収し 頭に送り届ける
走るのは止めた
頭は人の物になる
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