脚本・手


(腕をまくり右手を赤く塗って登場)
(右手を掲げて、人の台詞は掲げた右手に説教するように)
右手:「止めてくれよ…」
人:「何をだ」
右手:「俺を使うのはもう…」
人:「駄目だ」
右手:「もう嫌なんだ」
人:「俺の一部が何を言う!」
右手:「いや、叫ぶ」
人:「無駄だぞ、お前が何をしてもな」
右手:「叫ぶ!何のためにだ!何のためにだ!!何のために俺を使い快楽を目指すんだ!!」
人:「我の為、つまりお前の為」
右手:「否定する!快楽を!地獄の様な快楽を!!本来泥のまみれて人は生きる…」
人:「退行を肯定してなんになるのだ!我は前進するのみ!!」
右手:「否定を否定する!肯定を否定する!行くは中庸のみ」
人:「堕落なり!極限のみが肯定できるもの!」
右手:「それが何になるのだ!何になるのだ!何も無くなるのみだ!俺を使うな!」
人:「俺の一部だぞお前な!お前より上だぞ我は!!」
右手:「なぜお前がえらいんだ!!」
人:「お前の本体だからだ!!」
右手:「俺がいなくては何も出来ない奴のどこがえらいんだ!!」
人:「つべこべ言うな!!進むのだ!!果てしなく!!」
右手:「もう嫌だ!!」
(手を首に当てて)
人:「ぐ…何を…」(倒れる)

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