鳥がはばたく
気持ちだけはばたく 翼はない
翼は朽ち果て 虫が食べている

鳥は飛ぼうとする
かつての気持ちを思い出そうとして
決して飛べないのに

他の鳥は飛ぶ 飛べるから飛ぶ
鳥は飛び 置き去りにする 跳べもしない鳥を

飛べない鳥は少なくない
その鳥達は鳴く
我らにはその内容はわからない
エールなのか 憎しみなのか

飛べない鳥は集まり溜まって ここにいる
どこにでもいる

頭を突き出し 引っこめ 怯えながら
鳴きながら


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