〜犬と暮らす〜
モサク物語


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Miyako 「こんにちは。」
みかりん「えへへ。」
Miyako 「私の掲示板に書いてくれたのを集めてコーナーにしちゃいました。」
みかりん「勝手にMiyakoさんのBBSに連載しちゃった。毎日書いて1ヶ月以上も。」
Miyako 「毎日連載を読んでるとモサクとは逢ったことがないのに昔から知ってる犬みたいな気分になるから不思議だね。」
みかりん「この背景は実際にモサクの毛をデジカメで撮って作ったの。」
Miyako 「わぁ。」
みかりん「あっ、犬臭いから顔近づけちゃダメ。(笑)連載はこれで終わりじゃないよ。またネタがあったら投稿するからね。」


話は10年前にさかのぼる。
モサクの兄弟は6匹。すべて雄である。
母は”ちろ”茶の短毛。父は、旅犬なので詳細は、母”ちろ”しか知らない。
私が、この兄弟に逢ったときはすでに2匹が貰われていて4匹だった。

6匹の内、3匹が母似の短毛の茶。
3匹がモサク型のもこもこ犬。父似なのだろう。
私がこの兄弟に逢ったとき、2匹、2匹の割合で短毛、もこもこだった。
私は、短毛の子犬を飼うことに決めた。
名前を「ポンタ」と付けた。

ポンタは、性格のフレンドリーな犬だった。
近所の子ども達の人気者になった。
中学生もポンタと遊ぶために通学コースを変えた子もいたくらいだ。
犬友達も多かった。ポンタの犬友達にブッラキーとエスとドンがいた。
ブラッキーは、ポンタとは兄弟だ。同じ茶の短毛で顔が少し黒かった。
ジョンはポンタよりずっと年上で気むずかしい犬だったがポンタとは何故か気があった。 ドンは、ポンタより半年年上の向かいの家に飼われていた犬。
ポンタは、みんなに愛されてすくすくと育った。
この先、エスが重要なポイントとなる。

エスは気むずかしく、病弱な犬だった。
ある日、私は旅行にでることになった。数日かかるのでポンタを連れていくことにした。
旅行の前日に散歩の途中にエスの所に寄った。
もともと仲良しな二匹だったが、この日は、ポンタは「ずっと遊んでる」っていうので ポンタをそこに置いて私だけ帰って後で迎えに行ったのである。
二匹は、え?っと驚くような穴を掘って迎えに行った私をにこにこと迎えたのである。
後で考えると、この時、二匹はもう固く約束をしていたようなのであった。

旅先で、ポンタは、車の流に飛び込んでしまったのである。
ポンタは、悲鳴にならないような声を上げて、そしてよろよろと最期の力を振り絞って 私の元に来たのである。
私が抱きかかえると、安心したのか気を失ってしまった。
私は、抱いて病院に駆けつけたが、病院に着くまでに心臓が止まってしまったのは、気付いていた。
車にはねられた割には、外傷はなく、わずかに鼻血が出ていたくらいの綺麗な体だった。

その夜。私はエスの家に電話した。
「ポンタが死んじゃったんだよぉ。」
「え?ポンタもなの?エスも・・・。」
私は、耳を疑った。エスは、前から体の調子が悪く、とうとう死んでしまったというのだ。
あんなに元気だったのに。
思えば、あの時、2匹で穴を掘って遊んだ時、エスが実はもう長くないかもしれないとポンタに愚痴をこぼしたと思うのだ。 ポンタは、その時、何かを決心したんだと思う。
ポンタ。生後9ヶ月。短かったけど、愛された一生だった。10年前の8月13日。
お盆である。
後日、兄弟犬のブラッキーの家の人に話をした。
「え?13日?あらまぁ、あの日、遠吠えなんかしないブラッキーがずっと遠吠えしていたわ。」

旅から帰って、家に着くと主のいない犬小屋が悲しくて、私は、母犬ちろに挨拶に行こうと 思い付いた。手ぶらでは行けないな。煮干しを持っていこう。
で、ちろの所に行った。ちろの飼い主は、車の修理工場で廃車もたくさんある。 ちろに煮干しをやって、報告していると、壊れた車の山の向こうから、犬の気配がする。
おそるおそるのぞいてみた。
これがモサクとの出逢いである。モサクと遊んで、家に帰ったが、どうしてもモサクのことが頭から離れない。 で翌日、私は貰い受けるために再びその工場に行ったのである。

連れて帰ってきてモサクはポンタの小屋におさまった。しかし、ここで重大な事が判ったのである。

モサクは廃車の間にずっと繋がられた状態で、ろくに散歩もしたことが無いような犬だったのだ。
道路からは死角になって通学途中の子どもと接することもなく、変化と言えば、たまに飛んでくる蜂くらいか。
それでも飼い主は、ご飯だけはたんまりくれたようだった。
白いご飯。おかず無し。(笑)自動車のオイルまみれの軍手で1日2度ほどは撫でて貰えたようだった。
つまりモサクは、ろくに歩けないような犬だったのである。
他の犬に吠えられると腰を抜かし、歩けばつまずく、走れば木にぶつかる。モサク、生後9ヶ月。
ポンタより3周りは大きい犬だが、経験値0に限りなく近い犬だった。

幸い、私の家は札幌と言っても郊外である。
近くに森があり、大きな池があり、野生動物の豊富な犬の散歩には事欠かない恵まれた場所である。
リハビリの毎日が始まった。っていっても毎日森へ散歩に行っただけなんだけどね。
おどおどしていたモサクもどんどんたくましくなってくるのにさほど時間はかからなかったように思う。
モサクはポンタとは違ってフレンドリーな犬ではなかった。
犬友達なんて甘いことは言ってられない。雄犬を見つければ喧嘩をしなければならなかった。
今のところ連戦連勝。
だって自分より大きな犬とは喧嘩しないんだから。(笑)
大きな犬を見ると目は見えなくなり、耳は聞こえなくなるらしい。
同じくらいの犬との喧嘩はよくやった。
お陰で私は、犬の喧嘩の中に入って行くことが平気で出来るようになった。
3匹相手にしても負けなかったこともあったな。
だって、あの毛だよ。相手の犬が噛みついてもミまで届かないんだと思う。
だから痛くないんだと思う。
雌犬にはとても優しい。モサクはそういう犬です。
若い頃は、近所の小さな子に触らせられないような犬だったね。
今は10歳。さすがに少し性格が丸く穏やかになってきたけど。

それでは次回からはそんなモサクのエピソードを少しずつ。

数年前、私は、初めて犬ぞり大会という物を見た。
近くに札幌オリンピックのために作られた施設があるんだよ。
そこで「第1回 カルビーカップ杯 国際犬ぞり大会」が開催されたんだ。

犬好きの私は感激したね。
感激に浸りながら家へ帰った。すると玄関先に犬がいた。
そうそう、私も犬を飼っていたのである。私はひらめいた。
「1年間、モサク(犬の名)を訓練して来年は私も出場だ!」と燃えたわけ。
次の日、近くの森にモサクを連れて散歩に行ったんだ。
心の中に犬ぞりにかけるふつふつとした想いがある私は、森の入り口に古タイヤが投げ捨てられているのを見逃さなかった。
「これを散歩の間中、モサクに引っ張らせば訓練になるに違いない。優勝は貰った。ふっふっふっ。」
初日。モサクはこの試みを新しい遊びと思い喜んでタイヤを引っ張ってくれ訓練は無事終了。
タイヤは森の入り口に明日のために置いた。 私は満足したのである。

2日目。モサクはこの散歩は、あまり楽しくない。と言い出した。
しかし、優勝に向け燃えてる私の前にモサクの犬権などなかった。

3日目。モサクは、とうとうこんな散歩は嫌だ。と言い出した。
おりしもその日、どこかの大学の「歩くスキー部(クロスカントリー)」が練習に来ていた。
モサクがタイヤを引くのを嫌という。それをかたわらで励ます私。
そんな私達の横をヒュンヒュンと幾人もの歩くスキーの学生さん達が駆け抜けていく。
当然、私の行動が目に入る訳だ。犬にタイヤを引かせてさぼり気味の犬を叱咤激励している私の姿。
「ははっ、あの犬、木村みたいだ。なんとかさぼろうとしてるよ。」
「おっ、犬、がんばれ。」
などと声がする。
しかし、「優勝カップを手にしている図」が頭にはっきりと思い浮かぶ私は、気にしないのである。

その内、モサクは動かなくなってしまった。
励ましても、脅かしても、褒めても、がんとして動かなくなってしまったのである。
(その間も、歩くスキーの学生は何人も通り過ぎていると思ってくれたまえ。)
モサクは、抗議行動に出たのである。

私は、そんなモサクに腹を立て、ずんずんと歩いていってしまいモサクが見えなくなる位置まで来て呼んだのである。
「モサク〜。おいで〜。」
(その間も、歩くスキーの学生は何人も通り過ぎていると思って・・・・。)

しばらく叫んでいるとモサクはやってきた。
タイヤとモサクを繋いでいた散歩綱を噛み切って、走ってやってきた。
モサクは叱られると思い込み、私の回りを走り、捕まらない。
私は焦った。そして話し合う事にした。
「私が悪かった。叱らないから捕まりなさい。」
(その間も、歩くスキーの学生は何人も通り過ぎて・・・・。)

モサクは私の話し合いに応じ、やっとおとなしく捕まってくれた。
次に私が取った行動は・・・。タイヤの回収である。
タイヤがある地点までモサクと戻り、そして森の入り口までタイヤを引っ張ったのである。
誰が?私がである。
(その間も、歩くスキーの学生は何人も・・・。)

そうして訓練は3日で終わり、優勝カップは取り逃がしたのである。
しかし、思えば”歩くスキー部”の学生さん達は、あの日、練習が終わった後のミーティングで みんなの見たところを繋ぎ合わせれば、私の半日の行動が見えてくるだろう。

「俺が見たのは、犬が捕まらずに焦ってるところだった。」
「いや、俺は、人間がタイヤを引いている所を見た。」
「犬がタイヤを引き、人間は叱咤激励してた。」
「人間が犬に懇願していた。」

今でも犬ぞりレースを見るとはやる気持ちを抑えきれずにモサクを見ると、モサクは私と目をそらすのである。

いつも犬の散歩コースにしている山の道。
某有名スキーメーカーの人達が新製品のスキーのテストをしていた。
斜面でスキーヤーが通ると雪面に置いてある機械がカチッと音がして 降りきった所でまた機械がカチッと音がして何秒かかったかを繰り返し 測定している。
しかし、ここはモサクと私の散歩コースだ。
私達が通るとカチッと音がして機械は作動し、もう1ヶ所でも カチッと作動する。
私達が何秒かかって斜面を通ったかは、某有名スキーメーカーの 資料として残っているはずだ。

モサクの散歩コースは、湖というには小さく、池というには大きく、沼というにはさわやかでと、なんともいえない水辺のほとりがある。
西岡水源地公園という自然公園なのだ。 ここには鴨がいる。春になると子鴨が母鴨のあとをついてまわりとてもかわいいのだ。
私は、人がいないのを見計らってモサクに命令する。
「行けー!もさく!」
もさくは、ざぶんと飛び込み鴨を追う。
鴨は余裕がある。水鳥の余裕だ。引きつけておいて、ばたばたと飛ぶ。
そんなことを繰り返す。決して犬に捕まるようなことはない。
もさくは翻弄されてへとへとになるまで泳ぐ。
しかし、私にも人目がある。鴨が余裕があって遊んでいるという状況が他人にはそう見えない。
他人には、鴨を犬にけしかけている悪い人としか写らない。(実際そうなんだけど(笑))
で、人がいない時を見計らってけしかけるのである。
人の気配がすると私は大急ぎでモサクを回収するのである。わはははは。 

モサクは、かなり頭のいい犬だ。
私の言うことをかなり細かいところまで理解している。
そこらの馬鹿犬とは違うのだ。
しかし、言葉の理解は出来るが、何故、言うことを聞かねばならないのか理解していないので 行動は、そこらの馬鹿犬と同じなのだ。(笑)

歩くスキーが下って滑るとき、時々無音になることがある。
モサクは、最初の冬、その無音で滑り降りていく歩くスキーにぶつかった事がある。
別に怪我などしなかったんだけど。
でもそれ以来、歩くスキーが恐くてね。見つけると大袈裟に避けるんだ。
遠くにいるかもしれないと目を凝らして歩くスキーを探していることもある。
心の中でどんどん恐い物として育ててしまってるようなんだ。(笑)

モサクも動物であるから、生態系の中で生きている。
冬毛が抜けて夏毛に生え替わるとき、その抜けたふわふわの毛をスズメがくわえて行ったのを 目撃したことがある。
巣材にするのであろう。

秋。植物が種を付ける頃。山へいくと全身緑色の体のなるモサク。植物の種子を付けてくるのだ。
おかげで、モサクの小屋のまわりは、その植物がたくさん生えている。
植物の種子を運ぶ動物の役割をしているのだ。

今年の冬。
あれは12月頃だったろうか。
私は、モサクと川のそばを歩いていた。川には、鴨が10羽くらい泳いでいた。 モサクは、急にその鴨に反応したのである。
私は、バランスを崩し、川に落ちたのである。言い換えればモサクに川に落とされたのである。
北海道の冬の川である。冷たいというより痛い。
鴨は、モサクの乱入で、空に飛び立ち、それを水しぶきを上げて追うモサク。
川に1人取り残された私。
見ている者などいない冬の森の中の出来事。
このクソ犬!私は、毒づきながら川から這い出しモサクを回収し帰路へ着いたのである。

ウンコの話をしよう。

犬には2種類いる。
ウンコを見つけると体になすり付けずにはおれない犬と、なんとかそれをとどまる犬だ。
思えばポンタは前者の犬だったのである。あの癖にはホントに閉口した。

散歩に行って引き綱を離し、回収すると臭いのである。
もう、よく半泣きになりながら(人も犬も)ホースから水を出してじゃぶじゃぶと洗ったものである。
モサクはそんなことはしない。その点はポンタより飼うのは楽だ。

しかし、若い頃は、喧嘩早くて危険だった。小さい子にも危険な犬だったし。
その点はポンタの方が飼いやすかった。
まぁ、それもけれも人間側の勝手な事情。

犬は、なすり付けたいからなすり付ける。
気にくわないから噛みつく。
でもね、それじゃダメなんだよ。ウンコもダメ。噛みつくのもダメ。
年を取って10歳になったモサクは、噛みつかなくなったし、喧嘩も自主規制出来るようになったし、 小さい子に対しても以前ほど危険な犬じゃなくなった。
もともとウンコ癖がなかったから、やっと飼いやすい犬になったわけだ。

モサクとポンタは兄弟にも関わらず、随分相違点がある。

モサクポンタ
酔わない酔う
好き嫌いが激しい みんな大好き
もこもこ短毛
うんこうんこ犬ではないうんこ犬である


共通点・ベースが茶で、足は靴下を履いたように白い。
・前足がハイソックスで後ろ足が足袋。


  この世にはかなり不思議な物が存在する。
実は、モサクの毛で出来たクッションがあるのだ。
今はすっかり綺麗なおねいちゃんになった近所の絵美ちゃん。
絵美ちゃんは、今度、高2。ポンタの頃から、私の犬をかわいがってくれてるかわいい子だ。
絵美ちゃんが小学校の頃、なんとモサクの抜け毛を集めてクッションを作ってしまったんだ。
クッションには、モサクの顔が刺繍してある。
抜け毛はとても犬臭いので、石鹸水で洗って水ですすいで乾かしてという労作なんだ。
勿論、家の人には、犬に毛で作ったという事は内緒。
犬の毛で作ったなんて事がばれたら捨てられてしまうからね。
「あら。絵美、このクッション、少し綿が出てきてるわよ。あら珍しい色の綿ね。」
「え?あっ・・・うん。室谷さんちで貰った綿なの。」
絵美ちゃんは、冷や冷やだったそうだ。

私は、最近、あることに気付いた。
どうも私には特殊能力があるらしい。
向かい側からやってくる犬の性別が瞬時に判るのだ。以前はそんなことなどなかったのに。何故わかるのだろう。
ちょっと考えて原因がわかった。
性別が判るのは、モサクを連れているときに限るという事に気付いたのだ。
つまり雌犬が判るのである。雌犬がモサクを見て雌の顔をするのだ。
なんて説明したらいいのか。
犬の口と鼻の部分(吻=ふんという部分ね)のカーブが、まるく見えるの。
判りづらい説明かな。(笑)そうとしか説明できない。あはは。
つまり、雌犬はモサクを見て女らしい態度と仕草をするということだ。
どうも私が、特殊能力を持ったという訳ではないらしい。
モサク無しで歩いていても性別を当てることが出来ない事からね。
まぁ、そんな特殊能力なんてなんの役にもたたないから悔しくないけど。
ん〜。いや、ちょっと悔しいか。

雪原の雪だるまは悲劇である。犬の目印のマトになってしまってたちまち黄色くなってしまうからだ。
今日も一段と黄色くなった雪だるまにモサクも近づいて片足を上げるのである。

今日は、チャチャとリタの飼い主の話をしよう。
チャチャは血統書付きの柴犬である、リタは、洋犬系の雑種。共にモサクのガールフレンド。
Tさんの愛犬(雌)である。2匹とも中型犬にも関わらず家の中で飼っている。箱入り犬である。
Tさんは、どこから見ても常識ある立派な紳士である。ただし、犬さえ見なければ。
彼は犬を見るとめろめろめためたになるのである。
「あっ、もっちゃん。(モサクの事らしい。)どしたの?うんうん。そうかいそうかい。 わかったよ。そうだね。うんうん。」すっかり話し込んでしまうのだ。
そして私には「おはようございます。」と言って出勤するのだ。(近所に住んでいる。)

ある朝、私がまだ眠りの世界に入ってた頃。
もさくが、わんわんと吠え始めた。近所迷惑だな。なにより私がまだ眠い。叱らなくっちゃ。
「こらっ、モサク!うるさい!」私は、窓を開け叫んだ。
すると人の声がした。
「あっ、もっちゃん、叱られたの。もっちゃん、ぜぇんぜん悪くないのに。もっちゃん、悲しいの。」
あっ、しまった!Tさんが、チャチャとリタを連れての早朝散歩だったか。
モサクの声は、歓迎の吠え声だったのか。
しばらくTさんの「もっちゃん、ねぇ。こぉんなにいい子なのにねぇ。」の声を聞きつつ まどろみの中へ再び入っていった私であった。
Tさん。犬さえ近くにいなければ立派な紳士なのに。
ポケットには、いつもドックフードを忍ばせているのは言うまでもない。

ある朝。カラスが死んでいた。モサクの鎖の縄張り内である。
当然、モサクを疑った。で聞いてみた。
み「お前が殺ったのか?」
モ「いんや、ちゃう。」
モサクは否定し、にこにことするばかりである。
現場をよく見る。カラスの羽根が飛び散ってる事もなく戦った後はない。
戦ったら声もするし、辺りはカラスの羽根が散乱しているだろう。
で、私は結論を下した。
これは、飛んでいたカラスが急性心不全になり急死し、偶然モサクの鎖縄張り内に墜落した偶発的 事故である。よってモサクは無実!
しかし、私がいくら無実と判決しても近所のガキ共は、信じ込んでいる。
「モサクがカラスと戦って勝った!モサク、またカラスをやっつけてね。」

まぁ、時々モサクとカラスは言い合いをしてるけど。
モ「わわわわっわわっわん。」(馬ぁ鹿、馬鹿)
カ「カァ、カァ、カァ。」(ふふん、間抜けぇ)
み「うるさい!」

モサクの耳はなんて言うんだろう。
日本犬によくある三角形の耳。立ち耳。それではない。
洋犬によくある垂れ耳。もちろん違う。

「さぁって、一応雑種とはいえ日本犬だし、耳、立つか。」
って思いながら途中で折れてしまった耳。
いかにも雑種です!って感じの耳。
この途中折れの耳がなんともかわいい。
歩くとぱたぱたする。走ってもぱたぱたとする。

尾は巻き尾。
注意してみると巻き尾の犬は右巻きと左巻きがあるね。
モサクはどっちだったかな。
洋犬は、さし尾だね。
私は尾は巻き尾が好きだな。
モサクが玄関の戸に尾を挟んでしまってしっぽの先から血が出た事があった。
でも私をみると嬉しくてしっぽをぶんぶん振るの。
血が飛び散るからしっぽ振るのやめなさいって言ってもぶんぶん振るの。
そこいらは血が・・・。もうほんと犬ってヤツは・・・かわいい。(苦笑)

普段は「モサ」と呼ぶ。
「モモ」と呼ぶときもある。
春先の柔らかい雪質の雪原をいくとお尻辺りの毛にたくさんの雪玉が付くことがある。
それは「モサ玉」と呼んでいる。

体重は18kg。これを1単位とする。
だから体重90kgの人は「5モサ」なのだ。45kgの人は「2.5モサ」

モサクの精神的な攻撃がある。
それは、残しておいた「モサ飯」を人が来たら慌てて食べ始める事だ。
誰かモサクのご飯を取ったヤツがいるか?まったく。
これをやられた人は何となく傷つくのである。精神攻撃である。
それと濡れた鼻攻撃っていうのもある。(笑)
しっぽパタパタ攻撃。

以上がモサクの攻撃?である。

犬の散歩でとても恐いのは坂道である。登りではない。下りだ。
特にモサクは引っ張る犬だ。下り坂を引っ張られる恐怖と言ったら。(笑)

1ヶ月に及んだ連載も終わりに近づいてきた。名残惜しい。
またネタを思い付いたら書こうと思う。


〜犬と暮らす〜
モサク物語2へ つづく







蟹屋 山猫屋