お風呂免許習得物語
<其の18>

【み・弟子】
「修行の旅から帰ってきて数日。名人の集中力には、驚かされます。あれからずっと こもって勉強三昧ですね。」

【Q1級挑戦者】
「もう、落ちる訳にはいかないからな。今回の俺はちょっと違うぜぇ。」

【み・弟子】
「日刊お風呂新聞になかなか面白いコラムがありますよ。『半身浴と江戸っ子』とい うタイトルで。」

【Q1級挑戦者】
「あぁ、知っている、それ書いたヤツは、俺知ってるぞ。同期で一緒に勉強したヤツ だ。」

【み・弟子】
「同期?」

【Q1級挑戦者】
「あぁ、まぁ。で、内容は、半身浴は体に良い入浴方法なのに、一方で、江戸っ子の 水でお湯を埋めるなんてもってのほかだい、べらんめぇ!っていう入浴方法もあり、 その比較論。そいう内容だろう?」

【み・弟子】
「そうです。さすが名人。ちゃんとチェックしてますね。」

【Q1級挑戦者】
「まっな。」

【み・弟子】
「この論文に興味あるなぁ。この間私が書いた”半身浴とカラスの行水について”の レポートと少し関連があるし。」

【Q1級挑戦者】
「その内それを書いたヤツに、逢わせてやろう。」

【み・弟子】
「え?それは素晴らしいっ、是非お願いします。名人に付いているといろいろな事を 覚え、」

【Q1級挑戦者】
「俺は、」

【み・弟子】
「なかなか出逢えない人に逢え」

【Q1級挑戦者】
「俺は、」

【み・弟子】
「本当に私はうれしいですここの所の名人の」

【Q1級挑戦者】
「俺は」

【み・弟子】
「集中力には、本当に尊敬しますし、以前のように」

【Q1級挑戦者】
「俺は」

【み・弟子】
「あちこち出掛けることもなく、この調子なら明日の試験はもう確実・・。ん?さっ きから何か言いかけてますね。何か?」

【Q1級挑戦者】
「俺は、飯を喰いたい。」


next

back



蟹屋 山猫屋