「炭を食べる牛」

 コンクリートミキサー車が出入りし、大きなクレーン車も来て、あっという間に堆肥場の姿が現れました。間口27mのどでかい堆肥場です。鉄筋が入りこれから鉄骨の屋根がつくそうです。こんな建物、家のどこを見渡してもありません。牛舎は電信柱と唐松の間伐材に波板鉄板、牛舎より立派な堆肥場です。折りしも、狂牛病で経営が大変だというこの時にこんなの作って大丈夫かなと不安になります。法律で畜産農家は屋根のついた堆肥場を持たなければ営農できないことになり、5年間のうちに皆が作ることになりました。申し込んでいた事業が今始まったというわけです。年内の出荷予定も決まり、値段が半分だろうが予定頭数が少なかろうが、収入の見通しがついて少し安心しました。家で飼っているアンガスという牛は日本古来の和牛と違い、イギリス原産の肉用牛です。赤身がおいしく、丈夫な牛で草でも太ると言われています。日本の市場は、霜降りになってなんぼと言う世界ですから、家の牛は高い値段はつきません。草で太らせると脂肪が黄色くなり市場価値はゼロになります。それで、ある程度山で母牛と過ごし、大きくなると離乳して肥育素牛となります。その離乳も今は出荷できないので牛舎が空かずできません。牛舎に行くと牛達は頭を振りたててえさをねだります。そんなにあせって食べなくてもいいのにと思いつつ餌をやります。実においしそうにもぐもぐ食べます。今はサイレージに配合飼料をかけたり、芋やとうもろこしの芯で作った発酵飼料、ビールの絞り粕の発酵飼料と発酵した餌が多いです。実はこれに家では炭の粉を振りかけています。炭を食べるなんて驚くかも知れませんが、牛の糞がしまって調子がいいのです。最後に乾草をやります。これでもかと言う程やりますがもしゃもしゃ良く食べます。今回年末用に自家用の牛を出しました。試食が楽しみです。

ゆのみ NO14 11月28日

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